フェルメールの作品が数多く残るオランダ 13
また、最初の妻サスキアの忘れ形見ティトスは、年老いた父のために家事をきりもりし、励ましたといわれています。
聖書とティトスに支えられて、画家はやっとヘンドリッキェの死の悲しみを、優しさに満ちた思い出に変えることができたのです。
『ユダヤの花嫁』には、そうした画家の心境が表れています。
1668年に、愛する息子ティトスは、父の友人の娘と結婚しました。
しかし喜びもつかのま、彼は6カ月後に病死。
画家はもはや苛酷な運命を呪うこともせず、ひたすら制作に没頭し、翌年静かに息をひきとるのでした。