フェルメールの作品が数多く残るオランダ 4

アムステルダムは、こうした従来のフランスで栄えた美術スタイルとは全く異なるスタイルで発展していき、オランダ絵画の巨匠たちはもちろん、炎の画家ゴッホに出会える芸術の街でもある。

美術館広場には、オランダ絵画を一堂に集めた国立美術館のほか、ゴッホの『ひまわり』や『はね橋』が迎えてくれる国立ゴッホ美術館、近代絵画の市立美術館など主要美術館が集まっている。

世界的に有名なクラシック音楽の殿堂、コンセルト・ヘボーがあるのもこの広場。

フェルメールの作品が数多く残るオランダ 3

17世紀といえば、オランダ絵画にとっても黄金時代。
"光の画家"として知られる肖像画家レンブラントや、生活のひとこまを優しい光の中に描いたフェルメール。

そして庶民の暮らしを生き生きととらえたヤン・ステーンやフランス・ハルスなど、宗教画が主流だったヨーロッパの絵画界にあって、のびやかに人間らしさを描きとめる画家たちを次々に生みだした。
世界の海に雄飛する自由かつたつで闊達な空気と、新典市民層の豊かな財力を背景にして、宮廷や教会を飾るためではない新しい芸術を開花させたのだ。

フェルメールの作品が数多く残るオランダ 2

17世紀のオランダは、アムステルダムを基地にして7つの海に商船を送り、世界の富をこの街に集めた。
貿易商人たちは港へ続く運河沿いに、競って飾りたてた館や倉庫を築いたため、運河に面した土地が高騰。
そのために間口が狭く、背の高い建築様式が生みだされた。

このようにして、水路がめぐらされたアムステルダムは、北のヴェネツィアともいわれる美しい泳の都"となっていく。
現在もこの街には、大小165の運河が走り、およそ1300もの橋が架けられて、当時のままに風情ある景観をつくりだしている。

フェルメールの作品が数多く残るオランダ 1

天才画家フェルメールが生まれた国でも有名なオランダ。
そこには未だ数多く彼の作品が展示されている美術館がある。アムステルダムの旧市街には、運河の水面をサンドベージュやチョコレート色に染めて、エレガントな古い家並みが続いている。

釣り鐘型や階段状の凝った切妻をもち、どれもが細身でツンと背が高い運河沿いの建物は、黄金の17世紀の置きみやげ。
運河が水路として重要な役割を果たしていた、海運国オランダの輝かしい時代を象徴するものだ。

『ディアナとニンフたち』

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「ディアナとニンフたち」 1655~1656年頃  マウリッツハイス美術館蔵


現存しているフェルメール作品のうち、神話の登場人物を題材にした唯一のものです。

研究者のほとんどは、これをフェルメールの真作としていますが、一部研究者の間では異議を唱えられています。

一番手前の人物がディアナ。

ニンフの一人がディアナの足を洗っているのは、キリストが弟子の足を洗ったエピソードを思わせます。

他にも前景の水盤(純潔の象徴)、アザミ(受難の象徴)などのキリスト教的なシンボルが目立ちます。

ディアナの隣のニンフが自分の足をつかんでいるのも、十字架に足を釘付けされたキリストの受難を暗示しています。

画面左端の犬は、現存するフェルメール作品に登場する唯一の犬。

修復前には画面の右上方に青空が描かれていましたが、後世に描き足されたものと判明。

また、画面の右端が切り縮められており、制作当初の画面は現状より12cmほど幅が広かったと推定されています。

・・出来れば元のまま残っていてほしかったですねぇ。

これはわたしの大好きな絵のひとつ^^

本当にきれいですよね。

陰影のバランスが絶妙で、うっとり見とれてしまいます。

ディアナの服のしわもきれい。

画面左上の樹木から光が始まって、画面全体をくるりとまわって目線が抜けていきます。

ほんとーにすてき!!

『マリアとマルタの家のキリスト』

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「マルタとマリアの家のキリスト」 1654~1655年頃 スコットランド国立美術館蔵

現存しているフェルメールの作品のうち、158.5×141.5cmでサイズとしては最大のものです。

この絵画の画題は、『ルカによる福音書』 10章のエピソードに基づいています。

キリストはマルタとマリアという姉妹の家に招待されました。

マルタはキリストをもてなすため忙しく働いています。その一方、マリアは座り込んだままキリストの言葉に耳を傾け、働こうとしません。

マリアをなじるマルタに対してキリストは、
「マルタ、マルタ。あなたは多くのことに心を配り、思いわずらっている。しかし、大切なことは1つしかない。そしてマリアは良い方の選択をしたのだ」と言います。

このように、マリアの頬に手を当てるポーズは図像学的には「メランコリー」を意味しているそうです。

『聖プラクセディス』

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「聖プラクセディス」 1655年頃 カンヴァス/油彩 バーバラ・ピアセッカ・ジョンソン・コレクション蔵


この作品は実は、フェルメールの真作であるかどうかについて意見が分かれています。
しかし真作とすれば、彼の最も初期の作品ということになります。

聖プラクセディスは2世紀頃の人物。処刑されたキリスト教信者の遺体を清めることに努めたといわれています。
彼女は背景に見える殉教者の血を含ませたスポンジを絞っています。この作品は、フェリーチェ・フィケレッリという画家が10年ほど前に描いた『聖プラクセディス』の写しと思われていて、構図はフィケレッリの作品とほとんど同じ。

ただ、聖プラクセディスが持っているスポンジと、十字架を握っている点が異なっています。

ダリによってモチーフにされるフェルメール

シュルレアリストとして有名な画家のサルバドール・ダリは、フェルメールを絶賛していました。

あのダリが。

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この作品は、ダリが描いた『テーブルとして使われるフェルメールの亡霊』(1934年)です。

この他にも、『フェルメールの「レースを編む女」に関する偏執狂的=批判的習作』(1955年)など、フェルメールをモチーフにした作品を描いています。

ダリは著書の中で、歴史的芸術家達を技術、構成など項目別に採点しています^^

ほんとに面白い人ですよね。

ダリはダヴィンチやピカソなど、名だたる天才の中でもフェルメールに最高点をつけています。

その採点の内容は、独創性で1点減点された以外はすべて満点。


ハン・ファン・メーヘレンによる贋作事件

フェルメールの贋作がたくさん出てきたなかで、最大の事件は「ハン・ファン・メーヘレンによる贋作事件」です。

この事件は1945年、ナチス・ドイツの国家元帥ヘルマン・ゲーリングの妻の居城から、フェルメールの贋作『キリストと悔恨の女』が押収されたことが始まりでした。

オランダの至宝を敵国に売り渡した売国奴として、すぐにメーヘレンが逮捕されました。
ところが、メーヘレンはこの作品は自らが描いた贋作であると告白したのです。

さらに他にも多数のフェルメールの贋作を世に送り出しており、その中には『エマオのキリスト』も含まれているといいました。

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『エマオのキリスト』は1938年にロッテルダムのボイマンス美術館が購入したもので、値段は当時オランダ絵画として過去最高額の、54万ギルダーでした。

当初メーヘレンの告白が受け入れられなかったため、彼は法廷で贋作を作ってみせたと言われています。


これはこれで素敵な絵ですよね。

フェルメールの作品じゃない!

トレ・ビュルガーがフェルメールの作品として認定した絵画は70点以上もあります。

しかし。

これらの作品の殆どは、その後の研究によって別人の作であることがわかりました。

弟子なのか誰なのか。

ちょっとわかりませんが。

20世紀に入ると、次々にフェルメールの贋作が現れてきます。

でも贋作といっていいのかわかりませんね。

もしかしたら習作として、模写したのかもしれません。


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